株式会社MNH

庶務部のみなさんはとても真面目で仕事熱心。安心してお任せできたことで社内に新しい変化も

新たな社会モデルの創出を目指すソーシャルビジネスカンパニー

私たちは商品の企画から販売までを主としている会社で、企画→開発→販売という流れの中に、地域にすでにあるモノや人などの資源をうまく結びつける、ソーシャルビジネスを展開しています。

代表的な商品に、多摩地域を中心に販売している『天狗の鼻 棒かりんとう』があります。年間十数万袋の売り上げがある人気商品なのですが、原材料の提供から製造、包装、出荷に至るまで、200人もの地域の方が携わって作っています。

この仕組みで商品づくりを進めると、商品が売れれば売れるほど地域の方の支援につながることになります。現在、我が社の商品数は150ほど。これからも新しい商品の開発に取り組み、地域の資源と課題をお金と雇用に変えていきたいと考えています。

『天狗の鼻 棒かりんとう』は、さまざまな多摩地区の団体や食材とコラボレーションして展開。

Polaris さんの考えに共感し少しずつワークシェアを開始

商品づくりには福祉事業所や、引きこもりや若年無業者の支援をしているNPO法人などにも関わってもらっています。そのNPOの方にPolarisさんの存在を教えてもらったのが、ちょうど3年ほど前。

すぐに事務所にお伺いし、子育て中のお母さんたちがチームで業務を請け負っているという話を聞いて「あぁ、面白いな」と思いました。お母さんも社会で働いたほうがいい、スキルを持っているのに活用できないのはもったいない、という考えも同じでしたので、「ぜひ何かご一緒に」ということになりました。

それから少し時間が空きましたが、1年半ほど前、自社ビルが立ち上がるタイミングに1Fスペースでの販売の仕事をお願いしました。「平日の10時から13時までの枠を毎週2回、どなたか来て欲しい」と依頼。そのうち2Fにある事務局のシフトにも入ってもらうようになりました。いずれもセタガヤ庶務部に在籍しているメンバーに交代で来ていただき、1人分を担当してもらう形です。さらに1年前からは商品の梱包作業もお願いしており、毎週2回の3人枠に シフトを組んで入ってもらっています。

調布ケ丘一丁目、甲州街道沿いにある自社ビル。3FはMHNが運営するフェンシング道場に。

メンバーが毎回かわっても安心してお任せできています

来てもらうメンバーが毎回かわることに対して最初は少し不安もありましたが、パートさんを募集して来てもらうことも、それはそれでリスクがあるんです。履歴書や面接だけでは「本当にこの人でいいのか?」なんて、分かりませんから。面接での採用は、ある意味「賭け」に近いものがあります。さらにこれまでの経験からしても、採用したパートさんが会社の雰囲気に慣れ、業務全体が分かってきて実際にパワーを発揮するまでに、半年はかかります。

いっぽうPolarisさんに依頼すると、「人」がものすごく安定しています。みなさん一生懸命で、とても真面目。おそらく庶務部に登録している人たちは、Polarisという組織に対して、いい意味で忠誠心があると思うんです。「Polarisのためにもきちんと仕事をしよう」という意識を、メンバーのみなさんからすごく感じますね。コーディネーターさんがメンバーの割り振りなども適切にしてくれるので、こちらが気を回す必要がないのも助かっています。今は安心してお任せしている状況です。

仕事を切り出して依頼することで本来の仕事に集中できるように

Polarisさんに依頼する前はとにかく人手が足りず、社員は出荷準備や請求書発行などもすべて自分でやっていました。けれども、それはとてももったいないことなんですよね。本来なら自分にしかできない仕事に集中すべきなのに、雑務に追われてそこまで手が回らない。遅くまで働くことにもなってしまう。以前はそんな状況でした。

今はPolarisさんが定期的に来てくれるので、それに合わせて社員は「これは頼もう」と、自分じゃなくてもできる仕事を切り出して依頼しています。結果的に自分の仕事に集中できるようになったと同時に業務自体のスピードも速くなり、社内は活性化したように感じます。

そもそも人に何かを頼むというのは、事前の段取りなども必要なので、とても大変で手間がかかることです。うちの社員も最初の頃は「何をお願いしたらいいのか分からないー!」と混乱しがちでしたが、だんだんと依頼がうまくできるようになりました。これはとても大きな変化です。スケジューリングや仕事の組み立てがしっかりできるようになったという証拠ですから。

マンパワーが必要な時にワークシェアは役に立つ

ワークシェアは、「この人がいないと仕事が回らない」「この人じゃないとダメだ」という属人的な仕事の組み立てにならない点も魅力です。組織として、人を基本にして考えない部分も作っておかないと、何かあった時に大変ですからね。

また、ワークシェアによって関わる人たちを増やしておきたいという考えもあります。少人数でやっているとそれだけの力しか借りられませんが、定期的に来てもらっている人数が多いと、繁忙期や商品が爆発的に売れたりした時にヘルプを出すと、みんな集まって来てくれますから。その時だけのためにパートさんを募集するなんて無理。誰も寄って来てくれません。そういう意味で、複数の会社とのワークシェアはリスクヘッジにもなっています。

現在、Polarisさんには梱包の仕事に加えて、新商品の製造のお手伝いもお願いしています。また、以前から来ていただいた方のなかから、社員としてパート雇用に切り替えた事例もあります。そもそも「子育て中の人たちが、地域の中で多様な働き方ができるようにしたい」というPolarisさんへの共感があるので、これからも継続してお仕事をお願いできればと思っています。

取締役社長の小澤尚弘さん。「MHN は本格稼働してまだ 5 年ほど。ここ 1、2 年で人も増え、業績も伸びてきています」