Instagramで「くらしのくうき」を発信!

投稿者:polaris_noro

Instagramで「くらしのくうき」を発信!

「この街に引っ越したら、どんな暮らしが待っている?」

ライフステージの変化に合わせて、新しい街での生活を考えることもありますよね。引っ越しや移住を検討する際、最近はインターネットやSNSで情報収集する人がほとんどではないでしょうか。それらは、公共施設や商業施設、飲食店などの情報が手軽に得られる一方で、実際にその街で暮らすイメージにつながるリアルな情報を得ることはなかなか難しかったりもします。特にその街のコミュニティや文化に根差した「くうき感」は暮らしてみないと分からないことがあります。

Polarisでは、そこに住まい暮らす人だからこそわかる「くうき感」を、オリジナルの手法で伝えるサービス、「くらしのくうき」を2013年から実施してきました。従来対面で行っていたサービスですが、2022年からInstagramでの発信をスタート。新しい試みのプロセスと成果をご紹介します。

地域情報提供サービス「くらしのくうき」について

地域情報提供サービス「くらしのくうき」は、地域住人による「対面」での地域情報提供サービスとして2013年にスタートし、これまでに20物件以上の新築分譲マンションの販売センター内でサービス展開を行っています。

対面での地域情報相談会イメージ

「くらしのくうき」では、実際にその街に暮らす、地域に愛着を持つ子育て中の女性たちが、自身の日常の暮らしやその街での生活の様子、子育ての経験を伝えています。「地域住人としての当事者視点」を軸に、地域への愛着と暮らしの「くうき感」を伝えることで、引っ越しを考える人も新しい「街のファン」を経て住人となることができます。

2022年よりInstagram運用を開始

対面による「くらしのくうき」は、主に新築分譲マンションの販売センター内で展開しているサービスですが、2020年頃からコロナ禍で対面サービスが敬遠されたり、都心の集約販売拠点で販売が行われるケース(マンション建設地と集約販売拠点地が異なる)が増えたりしたことで、サービスの見直しが必要となってきました。
そこで、新たに20代後半から40代前半のユーザー数が多いInstagramを用いたサービスを導入しました。

Instagramに「みかわしマップ」登場

「くらしのくうき」をInstagramで発信するため、初めて導入したのは、2022年12月から2023年6月まで運用を行っていた東京都荒川区三河島エリアで、その名もInstagram「みかわしマップ」。新築分譲マンション広告の一環として、三河島エリアの居住者がエリア情報をInstagramで発信していきました。

Instagram「みかわしマップ」

Instagram運用チームは、三河島エリアに居住する4名の女性を採用し構成しました。研修、企画会議などはオンラインビデオ通話で実施。日々の報告、連絡、相談はビジネス用チャットツールを使用することにより、現地取材以外の業務は全てオンライン上で完結。副業でも家族形態が多様でも、ワンチームとして業務を進めていきました。

Instagram「みかわしマップ」は、ターゲットをマンション購入検討者に絞り、主に販売センター内へのPOPの掲示、商談時に営業スタッフからの紹介、物件HPへの掲載によりフォロワーを募りました。その結果、マンションを購入した22名のフォロワー全員が「有益な情報を得られた」と回答しており(グラフ1)、特に「大体得られた」「得られた」と回答している方の半数以上は三河島のエリアイメージが向上した(グラフ2)ということでした。このマンションでは、都心の販売集約拠点にて販売を実施しており、マンション建設エリアと離れているため、購入検討者にとって街の雰囲気を感じにくい状況でした。しかし今回、Instagram「みかわしマップ」を通して、実際に三河島エリアに住む人たちの「くらしのくうき」を感じられたことが、大きな一歩の後押しになったようです。

グラフ1・2:「みわかしマップ」Instagram導入マンションを購入した22名に実施したアンケートより抜粋

Instagram「みかわしマップ」のクライアント様からは次のようにコメントをいただきました。

東京建物株式会社 広告宣伝グループ 中川正幸氏
お客様が安心してご入居いただけるよう、地域情報のリアルを正しく伝えることを大切にしていますが、当社だけの調査ではどうしても表面上の情報となり限界があります。その中で「くらしのくうき」は実際に住んでいらっしゃる方のリアルな声を提供でき、お客様の納得感や安心感につながっています。「みかわしマップ」の取り組みも、当社スタッフが驚くほど街の魅力を発掘していただき、お客様の安心へつなげることができました。携わっていただいたスタッフの皆様、本当にありがとうございました。

様々な価値を生み出す、仕事軸のコミュニティ

Polarisでは自分の生活から生まれた視点や、その街にある資源を活用して創り出す仕事を「loco-work」と名付けて、様々な事業を行っています。
「loco-work」事業の一つであるくらしのくうきでは、地域住人は、業務に参画することで、自分と同じ地域に住む、今まで知らなった人と業務メンバーとして出会い、仕事軸のコミュニティを育んでいきます。また業務を通してその地域の店舗や施設の人と出会うことで、よく知っていると思っていた店舗や施設の知らなかった面を発見したり、繋がりが生まれたりします。
チームメンバーとの情報共有では、業務スキルだけでなく、街や暮らしに関するあらゆる情報の共有が行われます。その際メンバーは、生活スタイルや嗜好の違いにより、同じ地域に住んでいても、人によって利用する施設や場所に違いがあることに気づきます。人はそれぞれ多様であること、またその多様さが発信する地域情報の質を高めることを理解した時に、メンバー一人一人の価値観が尊重される文化がチーム内に生まれます。

実際に、業務開始1か月後と5か月後にチームメンバーへ同じアンケートを実施したところ、次のような回答となりました。

業務開始1か月後と5カ月後にInstagram「みかわしマップ」運用メンバーに実施したアンケートより抜粋

Polarisの業務に初めて参加し、当初はスキルを活かし高めること、働き方のフレキシビリティに関心があった方も、愛着のある地域の「くうき感」を伝える仕事を通して、地域で働くことに魅力を感じ、地域への愛着が深まったことがわかります。
このように、街の魅力を再発見することで地域への愛着がさらに増し、仕事軸のコミュニティは地域情報発信という一つの業務の枠を超えて、多様な価値観を受け止める豊かさを持った、新たな地域コミュニティの創出という価値を生み出すことができます。
今その地域に住んでいる人、その地域で仕事をしている人、これからその地域に引っ越して来る人、――地域に関わる全ての人が自分の「くらしのくうき」を見つけていくことこそ、幸せな日常をつくっていると、私たちは感じています。

SNSでどれだけ「くうき感」を伝えられるか――。
Polarisの「くらしのくうき」では初めての試みではありましたが、Instagram「みかわしマップ」を通して、従来からの住民である運営メンバーも新しく街に入られる方も、同じ「くうき」を共有できた、小さな手ごたえとなりました。