世田谷区スタートアップ支援事業「SETA COLOR」での事業創生専門家・メンター

投稿者:polaris_iwatani

世田谷区スタートアップ支援事業「SETA COLOR」での事業創生専門家・メンター

世田谷区地域連携型ハンズオン支援事業「SETA COLOR(せたカラー)」は、世田谷区に拠点を置く事業者の挑戦を、補助金+専門家+ネットワークでサポートし、事業の成長を支援するプログラムです。(実施:世田谷区、運営:三茶ワークカンパニー株式会社)
令和5年度、Polarisは「SETA COLOR」にて、専門家として事業者を伴走支援しました。また、「SETA COLOR」の取り組みのひとつである「ネイバースクールSETAGAYA」にて、取締役ファウンダーの市川望美がネイバーメンターを務めました。

地域とのつながりや他事業の経験を生かした伴走支援

「SETA COLOR」では、女性の起業家や地域での起業、コミュニティづくり支援の専門家のニーズがあり、三茶ワークカンパニー株式会社代表の吉田亮介氏と、弊社取締役ファウンダーの市川望美が世田谷区の委員を務めたご縁から、お声がけをいただきました。

市川が代表取締役の大槻昌美とともに、専門家という立場で9カ月間伴走支援をさせていただいたのは「リハトレスタジオ世田谷」代表の白石哲也さん。白石さんは理学療法士として在宅医療の現場で長年働いてこられ、その経験から、要介護になってからではなく、その前の段階での支援をしたいと考えるようになったそうです。そしてフレイル(健康と要介護の間の“虚弱な状態”のこと)を予防・改善するための事業を継続的に行うべく、「SETA COLOR PRO」コース(事業の分析、プラン作成、実施、報告まで専門家が伴走するコース)に応募しました。
伴走支援するにあたって、まずは地域とのつながり、コミュニティづくりが肝要と考え、世田谷で活動する団体や企業など、多数の事業者をご紹介。また、Polarisもかかわっている、地域のミドルシニアと事業者をつなぐ事業「R60‐SETAGAYA‐」のセミナーへの参加も勧め、「精力的に活動する健康なシニア」のイメージを伝えました。

「当事者の意見を聞いてみよう」と、ターゲット年齢のPolarisメンバーを呼んでミーティングを行ったことも

助成金の申請については、Polarisとしても今まで申請を多く行ってきたこと、かつ市川は助成金の審査員を務めた経験があることを生かし、より具体的に、エピソードを交えたアドバイスを行いました。
そのほかにも、一人での活動ではできる業務量に限界があるため、業務の切り出し方のアドバイスや人員募集の方法、世田谷区の担当者からいただいたフィードバックについて一緒に検討するなど、これまでの経験を生かし、事業を軌道にのせるための支援を行いました。

また、大槻は現場経験が豊富で、Polarisが携わった、つながり創出による高齢者の健康増進事業の拠点である「染地デジタルリビングラボ」の運営を担当していたため、その経験も活かした支援を行いました。「(高額な機器の購入が)本当に必要か」という意見をいただいた際に、「家で使用できない機器があるからこそ、あえて足を運ぶ理由になる」と自信を持って回答できたのは、「染地デジタルリビングラボ」でリアルな高齢者の声を聞いているからこその、経験に裏打ちされたものでした。

白石さんに染地デジタルリビングラボをご案内

Polarisのかかわる現場は多種多様であるため、引き出しが自然と多くなることは私たちの強みといえるかもしれません。他事業での学びやつながりを、事業づくりの支援に積極的に生かしています。

地域の良き先輩として

「SETA COLOR」の取り組みのひとつである「ネイバースクールSETAGAYA」は、世田谷で事業づくりに挑む人が、さまざまなプロフェッショナルや企業から起業・事業成長に向けた学び・つながり・サポートを受けられる、ネイバーフッド型インキュベーションプログラムです。その中の「スタートアップコース」のネイバーメンターを、市川望美が務めました。

世田谷の先輩起業家としてフィードバックを行ったり、グループの振り返りに一緒に入ったりと、より身近な存在、身近なロールモデルとして受講生に接しました。起業にあたり、ビジネスに特化した専門家に相談をすると、「ビジネスモデルとしての正論」が返ってくることも多いといいます。市川はセオリー通りではなく、「本当にあなたがやりたいことは何か?」という思いをまず明確にすることを重視するとともに、短期的に結果(売上)につながるものではなくてもコミュニティには価値があるということを伝えました。

Polarisでは、「ロコワーキング(Loco-working)」という言葉を使い、「暮らす」と「はたらく」が、愛着のある場所でつながることを大事にしています。
そのまちに住んでいるからこそできる仕事。人を活かし、まちの資源を活かし、まちに新しいつながりを生み出したり、まちを活性化したりする仕事がロコワーキングです。
SETA COLORおよびネイバースクールSETAGAYAに参加した事業者のみなさんの「まちをより良くしたい」「このまちだからこその仕事を生み出したい」という思いは、ロコワーキングと通ずるものでした。
今後もPolarisは、地域から、ともに新しい価値を創出するロコワーキングを推奨するとともに、それを実現しようとする方々の支援を行っていきます。

リハトレスタジオ世田谷 白石哲也さんよりメッセージ

白石さんが非常勤として勤務している世田谷区社会福祉事業団で、年間個人表彰されたことをケーキでお祝い

この度、世田谷区地域連携型ハンズオン支援事業「SETA COLOR」にて、Polarisの専門家の皆様から支援を受けたことに心より感謝申し上げます。
理学療法士として在宅医療に従事する中で、要介護予防の重要性を感じ、「リハトレスタジオ世田谷」を立ち上げました。「SETA COLOR PRO」コースに応募し、Polarisの市川望美さん、大槻昌美さんから包括的な支援を受け、大変心強く感じました。
地域とのつながりを強化するための紹介や、「R60-SETAGAYA-」のセミナー参加を通じ、事業のターゲット層への理解が深まりました。また、助成金申請や事業運営についての具体的なアドバイスを頂いたことで、事業の方向性が明確になり、実行ステップを進めることができました。
Polaris様の支援を通じて、地域に根ざした事業運営の重要性を学びました。今後も「リハトレスタジオ世田谷」を通じてフレイル予防に努め、地域の健康増進に貢献してまいります。この度のご支援に改めて感謝申し上げます。


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