【イベントレポート】自分らしい暮らし方、働き方を見つけよう~「くらすとはたらく」創刊記念・スペシャルランタンナイト~

投稿者:polaris_noro

【イベントレポート】自分らしい暮らし方、働き方を見つけよう~「くらすとはたらく」創刊記念・スペシャルランタンナイト~

Polarisは2025年4月25日に、フリーペーパー『くらすとはたらく』を創刊。創刊日には、「自分らしい暮らし方、働き方を見つけよう~『くらすとはたらく』創刊記念・スペシャルランタンナイト~」を開催しました。「ランタンナイト」とは、 調布で活躍しているゲストと参加者が“はたらく”をテーマに語り合うPolarisのイベント。co-ba CHOFUで開催してきました。今回はそのスペシャル版として、「今、『まち』に求められている『心地よさ』とは?」をテーマに、3人のゲストとPolaris共同代表の大槻がトークセッションを行いました。

本記事では、この創刊記念イベントの模様をお届けします。

開催概要

日時:2025年4月25日(金)19:30~21:30
場所:co-ba CHOFU
プログラム:
19:30~20:00 開会のあいさつ・歓談・食事
20:00~21:00 トークセッション:今、「まち」に求められている「心地よさ」とは?
21:00~21:30 グループトーク

登壇者

左から、唐品知浩さん、大槻昌美、標享介さん、十河信介さん

唐品知浩(からしな・ともひろ)さん
合同会社パッチワークス アイデア係長
調布市在住 3人の子育て中。リクルートを経て「別荘リゾートネット編集長」。調布のコワーキングスペース「co-ba CHOFU」のメンバー同士で、街をリデザインする(同)パッチワークスを創業。「ねぶくろシネマ」「棟下式」などを企画・運営。街の課題を面白がって解決に取り組む「面白がる会」のスキームで、馬喰横山や全国の地域活性に取り組む。グッドデザイン賞2019.2022受賞。

標享介(しめぎ・きょうすけ)さん
西松建設株式会社  アセットバリューアッド事業本部 再開発事業推進部
西松建設株式会社にて各地区のまちづくりの事業推進を担当。勤務地は港区虎ノ門だが、業務の関係で調布にもよく訪れている。仕事柄、「暮らす」「働く」「賑わい」などの新たな場を創出することが大きな目的であるものの、最近は「場」を創るだけでなく、その後どうマネジメントしていくことが大事か、まちづくりの観点からも日々思考中。

十河信介(じゅうかわ・のぶすけ)さん
京王電鉄株式会社
1974年生まれ。大学卒業後、京王帝都電鉄株式会社(現京王電鉄)に入社。マンション、商業施設、オフィスビルの企画及びリーシング、都心ビルの取得業務に従事。グループ会社のリビタに出向し、「シェアプレイス」や「BUKATSUDO」などの企画・場づくりを行った後、京王電鉄に復職。再開発を担当する傍ら「下北沢ケージ」「タカオネ」「KO52TAKAO」の企画・運営を担当。

大槻昌美(おおつき・まさみ)
非営利型株式会社Polaris 共同代表
一般企業にて営業事務を6年経験し、出産を機に退職。子育てに専念する。第2子出産後、娘ふたりと共に子連れでボランティアを始める。産後の家事援助「マザリングベル」(子育て支援グループamigo)の産褥シッターやNPO法人せたがや子育てネットの理事、保育スタッフ、子育てひろばのスタッフなども経験。2012年Polaris創業時メンバー。2016年、「フォロワーシップ経営」を行うために代表取締役就任。2024年8月より山本弥和と共同代表。

当日の内容

冒頭に、登壇者の皆様から5分ずつ自己紹介をいただきました。今回は、フリーペーパーが「調布」特集であることにちなみ、ご自身と調布の関係についても一言。「調布」でつながるトークセッションが、ゆっくりとスタートしました。今回のトークテーマは「今、求められている暮らしやすさって何だろう?」。ここでは、その議論の一部をご紹介します。

登壇者の皆さんが独自の視点で自己紹介

行政・開発業者・住民、多様な人たちで“まちづくり”する時代へ

トークセッションでは、まず、長年都市開発に携わってきた標さんと十河さんに、まちづくりの変化についてお伺いしました。

トークセッションに登壇するのは初という標さん。そうは思えないほど、聞きやすいお話でした。

「ハード」となる建物を建てて終わり、という時代から変化しつつある昨今。現在は、地域コミュニティや街の賑わいといった「ソフト」の重要性が増しており、行政から開発事業者に対しても、地域への貢献が強く求められるようになっているとのこと。具体的には、まちの歴史や文化といった地域資源を取り入れた開発や、住民が共有できる場の設置が期待されているそうです。

まちづくりの「今」について、参加者の方も静かに聞き入っていました。

まちに心地よさに必要な4つの要素とは?

まちの暮らしやすさや住みやすさは、大規模な商業施設の有無といった利便性だけでは測れないものです。十河さんは、まちが暮らしやすいと感じられる要素として、「居心地の良い場所」、「余白」、「繋がり」、「自分事」といったキーワードを挙げました。

特に「自分事」という観点では、会場であるco-ba CHOFUのオープン時のリノベーションが具体的な事例として紹介されました。co-ba CHOFUでは、Polarisのメンバーや地域の方々と共に、壁を塗ったり机を組み立てたりして、場をつくり上げました。標さんも娘さんと一緒に参加し、登壇者が座っていた小上がりのくぎ打ちを担当したそう。このことがきっかけで、この場に愛着を持つようになり、今日の登壇にも繋がったというエピソードが話されました。

一方、事業者や行政がすべてを管理するのではなく、使い方を住民に委ねるということは、住民にも責任が生まれることだと、大槻は気づきを共有します。たとえば、駅前の「てつみち」に置かれた椅子。持ち運びが可能にも関わらず、チェーンが付けられていません。これは、場の設計に「利用者も一緒にこの場所を育てていこう」という思いが込められているからだそう。住民が関わる「余白」は、そこに関わる人同士の信頼があってこそ成立するのかもしれません。

使う人が場づくりに関わる「余白」があることが、「心地よい居場所」につながり、そこで出会った人との「繋がり」が生まれ、最終的にはその場を「自分事」として捉えるようになる。本事例の他にも、登壇者が体験したエピソードから4つのキーワードの好循環を感じることができました。

ランタンの灯に照らされて、ゆったりとした空気の中でトークが展開します。

まちの繋がりを作るための「アンテナ」の立て方

続いて、まちに繋がりを作るための「アンテナの立て方」についても議論されました。唐品さんが大切にしているのは、「つぶやく」こと。気軽に「つぶやく」ことで、誰かが反応し、そこから新たな交流や解決策が生まれることがあります。唐品さんは気軽につぶやける場所として「スナック部室」という取り組みも行っているそうです。

Polarisの大槻流の地域に繋がりをつくるコツは「運営に回ること」。イベントにも参加者としてではなく、役割がある方が気持ちよく参加できると言います。自分が心地よくいられる立ち位置を考えることにもヒントがありそうです。

今回の登壇者4人が共通して話していたのは、興味に従って行動するということ。自身の内発的な動機や、興味関心に基づいた主体的な行動が、まちとの繋がりを生むきっかけとなることが、それぞれの言葉で語られました。

トークセッションの後はグループでそれぞれの考える“暮らしやすい「まち」”について意見交換。
今回のイベントで心に残ったキーワードを付箋に書いて貼ってもらいました。

まちの心地よさについて、ゲストや参加者と共に語り合った本イベント。トークセッションでは熱心にメモをとる参加者の姿も見られ、グループディスカッションではどこのグループも話が尽きないほど盛り上がっていました。

今回のイベントは、まちづくりを仕事とするゲストと、まちに暮らす参加者がフラットに話すことができる貴重な場となりました。Polarisでは今後も、多様な人たちが共に暮らし方・はたらき方を考えられる場をつくっていく予定です。
今回ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。

※フリーペーパー「くらすとはたらく」を配架していただける団体・企業・店舗を募集しています。ご興味のある方は、「お問合せ」よりご連絡ください。


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