【事例紹介】事務局業務の更なるDX化を実現―チームによる徹底した「見える化」と「ロコワーク」の実践

投稿者:sekiguchitomomi

【事例紹介】事務局業務の更なるDX化を実現―チームによる徹底した「見える化」と「ロコワーク」の実践

一般社団法人グリーンビルディングジャパン(以下、GBJ)様は、環境性能の高いグリーンビルディングの普及と認証制度の促進を通じて、サステナブルな社会の実現を目指す団体です。社会的意義に共感し、関わる人や企業が増える中、会員管理、イベント運営、情報発信といった多岐に渡る事務局業務を抱え、事務方の人材の不足という課題に直面していました。
Polarisのworkサポート部では、その事務局業務を引き継ぎ、チームによる持続可能な業務プロセスの改善と、新たな価値創造に取り組みました。

これからのサステナブルな環境づくりを目指して

一般社団法人グリーンビルディングジャパン(以下、GBJ)は、2013年に設立され、日本でのサステナブルな建物や、地域コミュニティ環境の普及を目指す団体。グリーンビルディング認証の国際基準であるLEEDやWELL等の推進にも取り組んできました。具体的な業務は、資料の日本語化や適用基準の技術的同等性提案、シンポジウムやセミナーの開催など。運営は、理事・運営委員会メンバーを始めとする会員のボランティアによって成り立っています。

会員数増加に伴う限界―GBJ様が抱えていた課題

Polarisが参画する以前、GBJ様の事務局業務は2名で分業。そのため、業務プロセスやノウハウが個人に集中し、持続可能な業務体制への懸念があったようです。一方、団体の会員数は増加。理事会ではこれまでのやり方に限界を感じ、より組織的かつ安定的に事務局業務を遂行し、団体の成長を支えることができるパートナーを求めていたそうです。

チームによる業務設計とIT活用によるDX推進

GBJ様の課題に対し、Polarisは4名体制(事務チーム2名、ウェブサイト・SNS担当2名)で事務局業務全般(会員管理、請求管理、メルマガ発行、セミナー事務局、一部経理、ウェブ更新等)のオンラインサポートを開始しました。

1. 徹底した情報共有と「見える化」による業務改善

Polarisが最初に着手したのは、Excelで管理され複雑化していた会員情報や入金管理方法の刷新です。自社の業務管理に活用しているサイボウズ社の業務改善プラットフォーム「Kintone(キントーン)」を導入し、会員種別(個人・法人)に応じたデータベース、会費管理アプリ、問い合わせ管理アプリを新たに構築。これにより、情報は一元化され、検索性や共有性が向上しました。システム構築にあたっては、業務ヒアリング要件定義から担当し、理事・運営委員会の方や、Polaris事務チームが運用しやすい環境を心掛けました。

メール対応についても、Kintone連携が可能な「メールワイズ」へ移行。各種テンプレートを整備し、チームメンバーが同じクオリティで迅速に対応できるようにしました。

2. 「誰かの頭の中に置かない」―チームで機能する仕組みづくり

Polarisの強みは、その有機的な連携と情報共有の徹底にあります。月1回の定例ミーティングに加え、日々のコミュニケーションはSlackを活用。内部タスク管理には「Asana」を使用し、誰かの記憶に頼らない仕組みを構築しています。そのうえで大切にしているのが、メンバー同士の密なコミュニケーション。基本的にオンラインだからこそ、丁寧なテキストコミュニケーションを心がけ、遅延や抜け漏れがないことを全員が把握できる状態をつくっています。

徹底したチームワークの根底にあるのは、「情報は個人の頭の中に留めず、チームの共有知とする」というworkサポート部で作成している“こころえ”。チームで円滑に業務を進めるために全員が心掛けておきたいことを明文化し、実践することで、均質な業務クオリティにつなげています。

ミーティング風景

アウトソーシング以上の価値がある―GBJ様からの評価

Polarisの参画により、変化したGBJ様の事務局業務。代表理事の木下様からは、「一度伝えたことを記録・記憶してくれるので、何度も往復する手間がなくなりました。さらに、「昨年の反省点を踏まえて、今年はこうしましょう」といった提案もしてくれて助かっています。煩雑な事務から解放され、我々理事は本来注力すべきGBJの戦略的な活動に集中できるようになりました。当初の期待は業務のアウトソーシングでしたが、それ以上の価値を得られています」との声をいただいています。

「Loco-working(ロコワーキング)」の実践が生み出す価値

本事例を評価いただいている背景には、Polarisが大切にする「Loco-working(ロコワーキング)」の理念があります。ロコワーキングとは、「暮らしの中で得てきた経験が、はたらくことと繋がることで新しい価値になる」という考え方。個人の多様な経験やスキルをチームで共有し、高め合うことで、一人では成し遂げられない大きな成果を生み出すことを目指すはたらき方です。

ここでは、まさにロコワーキングが実践されています。まず、個人のスキルに委ねられていた業務を分析し、チームで対応できる業務フローに再構築。Polaris独自の業務チームをつくり、暮らしの中で得たコミュニケーション力と基本的な事務スキルを生かせる、持続可能な業務チームをつくりました。特にオンライン業務は雑談がしにくく、副次的な人間関係をつくりにくいものですが、Polarisのチーム内のコミュニケーションには、暮らしの延長の会話もあり、お互いが心地よくはたらくための空気づくりがなされています。業務DXによるプロセスの可視化やセキュアな管理体制があることが、さらによい空気感を生み出し、GBJ様からの評価にもつながっているように思えます。

また、PolarisのメンバーがGBJ様の業務を通じて、グリーンビルディングという専門分野への関心を深めている点もロコワーキングの一つです。

「メルマガやウェブサイトの更新を通じて、認証された建物の記事を読むうちに、街中で『あの建物もそうかな』と気になったり、認証の大変さに思いを馳せたりするようになりました」とメンバーは語ります。仕事を通して新たな世界に触れ、自身の視野を広げることが、ロコワーキングの価値創造だと捉えています。

仕事の中に面白さを見つけ、暮らしに新しい視点が加わることを実感しているPolarisのメンバー。そうした姿勢が、クライアントへの能動的な提案や期待を超えるサービスの提供へと繋がっていきます。

チームの力で未来を共創するパートナーへ

Polarisは、GBJ様の事務局業務において、単なる業務代行に留まらず、業務プロセスのDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進し、チームによる継続的かつ安定的な運用体制を構築しました。それは、クライアントが本来のミッションに集中できる環境を提供するとともに、Polarisのメンバー自身も新たな学びを得て成長するという、まさに「ロコワーキング」が目指す価値共創の姿です。

今後もPolarisは、チームの力を最大限に活かし、クライアントの課題解決に真摯に向き合いながら、共に新たな価値を創造するパートナーとして貢献していきます。


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