旧石神井公園団地(東京都練馬区)が分譲マンション「Brillia City石神井公園 ATLAS」に生まれ変わり、その一角に地域の人たちがつながる場「アンドエス」が開設された2024年1月。それから約2年が経ち、利用・活用する人も増えました。きっかけの一つとなっているのが、Instagramです。「アンドエス」の運営をする非営利型株式会社Polarisは、コミュニティづくりと共にInstagram運用もオーガナイズ。どのように情報発信しているのか、担当者の皆さんに話を伺いました。
アンドエスInstagramはこちらをご覧ください。
アンドエスには、フリー利用に加え、勉強や仕事の場としてのコワーキングスペース、イベントやワークショップができるレンタルスペース、シェア型書店など地域のコミュニティづくりのための機能があります。オープンしているのは、木曜日から日曜日の午前11時から午後5時。営業時間中はコミュニティスタッフが常駐し、スペースの管理やイベントの企画などを担当します。Instagramでの発信もコミュニティスタッフの業務の一つで、週3回の投稿をすることが決まっています。
Instagramでは、アンドエスで開催されるイベントの予告や報告、新たに販売を始める商品の案内、「ひと棚書店」にまつわるニュースなど、スペースでのワクワクする兆しのほか、貸し切り利用による営業時間の変更などスペースに行く前に確認したい基本情報も発信しています。「アンドエス・レコード部」の紹介など、集まる人の雰囲気がわかるのも嬉しいポイントです。


アンドエスのInstagramから感じるのは、ゆったりとした時間の流れ。自由気ままにも見える投稿写真からは、石神井公園エリアの過ごしやすさとそこに住まう人たちの温かさが伝わってきます。
コミュニティスタッフのAさんは、アンドエスで働き始めてから、仕事としてInstagram発信を始めました。「初めにPolarisによるInstagramの研修があり、発信に適したテーマ、適切な写真の枚数など、基本的なお作法を学びました」。投稿写真は、オンラインの無料デザインツール「Canva」を使って編集・デザイン。「Canvaの基本的な使い方を研修で学びましたが、一番役に立っているのはスタッフ同士のコミュニケーションかもしれません」と、Aさんは柔らかな笑顔で話します。
Cさんは、少し後にメンバーに加わったため、Instagram自体の研修は受けていませんが、特に困ることはなかった様子。「ほかに得意なスタッフがいるので、基本的なツールの使い方などを教えてもらい、スタートしました。実際にやってみないと課題も見えてこないので、画像編集なども自分でやりながら、ほかのスタッフに相談して学んでいきました。Canvaはいろんなテンプレートが用意されていて、自分でこんなことまでできるんだ、と発見が多いですね」。
各自で文章作成や写真編集に慣れていくだけではなく、運用のルールも話し合いながら作ってきました。初めは、発信に統一感を持たせるため、ロゴを入れたり、所定の枠を付けたり、というデザインのルールを決めていました。ところがルール通りにやろうとすると、Canvaでのデザインや操作性に制限が出てしまい、写真1枚の加工に長時間かかってしまうことも。
大事なのは発信内容。そのためにできることは?
コミュニティスタッフ同士、原点に立ち戻りながら、自分たちがInstagramで伝えたいことやその手法を改めて話し合い、投稿ルールを見直しました。その結果、画像作成がスムーズになり、Instagramに個性が輝くようになっていきました。

アンドエスのInstagramは、少なくとも日・水・金の週3回発信することになっており、最初は投稿内容に困ることも。その後イベントや、スペースレンタルで使う人が増えてくると、イベント予告や実施報告、貸し切り利用による利用時間の変更のお知らせなど、発信する内容が増えていきました。
Instagramは5人のコミュニティスタッフチームのうち、シフトに入っている人が投稿します。そこで、内容に偏りが出ないよう、大事なお知らせを見逃さないよう、投稿計画表を作成。1週間程先のコンテンツを管理しています。なかなかよいテーマが思いつかない日があっても、翌日にほかのスタッフがアイデアを計画表に入れてくれたりするそうで、チームワークの良さが発揮されています。
最近は定期開催のイベントも増えており、その多くをコミュニティスタッフが企画しています。近隣に住んでいるアンドエス利用者の方の得意なことや趣味を題材に、音楽や俳句、干し柿やかご作りといった企画にして、集客をしています。人気のイベントは何度も開催されていますが、参加する方が飽きないように、定型化しないInstagram投稿を心掛けています。イベント担当者が募集投稿を対応できないときは、写真の編集や投稿を次の日のシフトメンバーに引き継ぐことも。誰か一人の仕事として固定せず、5人のスタッフがそれぞれの視点でイベントもInstagram投稿も見守っているので、誰でもパスを回せて、ゴールもできるチームになっています。

当日シフトに入っていないメンバーもいるので、コミュニティスタッフ同士のコミュニケーションは主にgoogleチャット。「次のイベント、こんな感じでどうかな?」とチャットが上がると、デザインが得意な人も、文章にこだわりたい人も、それぞれの視点で意見を伝えます。企画を考えるときと同様、発言した人の意図を尊重し、客観的な視点として取り入れていきます。「こうしてみんなから意見をもらえるのは、うれしいです」(Aさん)。
見てもらえるInstagramを目指し、「ルーティンではない、その日にしか作成できない投稿で変化を出していこうと、いつも考えています」とAさんは言います。
そうした発信の一つが、「アンドエスのひとこま 皆さんのPC」。ある日、テーブルに集まる人が、皆パソコン作業中だった日がありました。「パソコンににじみ出る持ち主のこだわりを見せたい!」と、その場でインタビューして、写真とともに紹介。

「その日の投稿をどうしようかなと悩んでいたら、パソコンが4台並んでいて、皆さん常連さん。『見せてください~』と声を掛けて、話を聞かせてもらって、Instagramに出してみました」(Aさん)
こうした投稿内容の振り返りは、毎月の定例会議で実施。Polarisの広報担当者が投稿実績としてまとめたものを、スタッフミーティングで一緒に分析します。毎回、エンゲージメントの高い投稿を検証し、数字が伸びた理由を探っています。例えば、リール投稿(縦型動画)だと、興味を持ちそうなユーザーに自動で流れるので、拡散力が高いという話を聞くと、動画への苦手意識がありつつも、アンドエスのファンを広げるためにも活用するようになりました。
加えて、コミュニティスタッフ同士の自然な学び合いもあります。Cさんは「Aさんの投稿は、じっくり読みたくなるような文章で、あたたかみがあるところが魅力。私はどちらかというと文章は少なくて、画像勝負。写真に文字を入れて、一目見てわかることを重視しています」。Aさんは「スマホを触っているとき、ちょうどアンドエスのInstagramが流れて来ることがあります。“これ、誰がつくったんだろう、すごくいい”と思ったりしています」
アンドエスはイベントで楽しむことも、くつろいだ雰囲気で作業をすることも、ゆったりと会話をすることもでき、多様なニーズに応える包容力があります。その場をつくりだしているコミュニティスタッフの話を聞いていると、お互いの個性を尊重しつつも、その場をより良くしようという姿勢が伝わってきます。この空気感が利用者の方にも伝わり、安心して過ごせる地域の大事なサードプレイスになっているのかもしれません。
Aさんは言います。
「イベントで何があったかという報告よりも、イベントやアンドエスの“空気感”を伝えたいと思っています。“アンドエスって、こんな雰囲気だよ”“来てくれたら、こんなこともあるよ”を伝えたいんです」
さて、Instagramでアンドエスの空気感を感じてみませんか。