「まち」と共に考える、くらすとはたらく
この度、Polarisでは、フリーペーパー「くらすとはたらく」創刊にあたり、記念イベントを開催します。
Polarisが創業より取り組んできた「Loco-working(ロコワーキング)」。この言葉には、「人の数だけ、愛着のある場所があって、愛着のある暮らし、はたらき方がある。その想いをお互いに尊重し合って共に歩んでいく」という思いが込められています。
「くらすとはたらく」は、Loco-workingを概念だけでなく、より多くの方に実感していただくことを目指し、創刊しました。
今回のスペシャル・ランタンナイトは、過去にPolarisが実施してきたイベント「ランタンナイト=はたらくことについて語る会」を、「まち」という視点を通して実施します。「このまちに自分の出番を増やそう」を掲げ、愛着のあるまちで暮らすとは何なのか、愛着のあるはたらき方とは何なのか、愛着のある”まち”とは何なのか、まちと暮らし、まちとはたらくゲストを迎え考えます。
日時:2025年4月25日(金)19:30~21:30
場所:co-ba CHOFU(京王調布駅徒歩1分)
参加費:2,000円(軽食・ドリンクを含む)
定員:20名
19:30~20:00 開会のあいさつ・歓談・食事
20:00~21:00 トークセッション「調布のくらすとはたらく」
21:00~21:30 グループトーク
※プログラムは変更となる可能性があります。
唐品知浩(からしな・ともひろ)さん
合同会社パッチワークス アイデア係長
調布市在住 3人の子育て中。リクルートを経て「別荘リゾートネット編集長」。調布のコワーキングスペース「co-ba CHOFU」のメンバー同士で、街をリデザインする(同)パッチワークスを創業。「ねぶくろシネマ」「棟下式」などを企画・運営。街の課題を面白がって解決に取り組む「面白がる会」のスキームで、馬喰横山や全国の地域活性に取り組む。グッドデザイン賞2019.2022受賞。
標享介(しめぎ・きょうすけ)さん
西松建設株式会社 アセットバリューアッド事業本部 再開発事業推進部
西松建設株式会社にて各地区のまちづくりの事業推進を担当。勤務地は港区虎ノ門だが、業務の関係で調布にもよく訪れている。仕事柄、「暮らす」「働く」「賑わい」などの新たな場を創出することが大きな目的であるものの、最近は「場」を創るだけでなく、その後どうマネジメントしていくことが大事か、まちづくりの観点からも日々思考中。
十河信介さん(じゅうかわ・のぶすけ)さん
京王電鉄株式会社
1974年生まれ。大学卒業後、京王帝都電鉄株式会社(現京王電鉄)に入社。マンション、商業施設、オフィスビルの企画及びリーシング、都心ビルの取得業務に従事。グループ会社のリビタに出向し、「シェアプレイス」や「BUKATSUDO」などの企画・場づくりを行った後、京王電鉄に復職。再開発を担当する傍ら「下北沢ケージ」「タカオネ」「KO52TAKAO」の企画・運営を担当。
大槻昌美(おおつき・まさみ)
非営利型株式会社Polaris 代表取締役
一般企業にて営業事務を6年経験し、出産を機に退職。子育てに専念する。第2子出産後、娘ふたりと共に子連れでボランティアを始める。産後の家事援助「マザリングベル」(子育て支援グループamigo)の産褥シッターやNPO法人せたがや子育てネットの理事、保育スタッフ、子育てひろばのスタッフなども経験。きっかけと役割、仲間がいることで引き出される力の凄さを実感。Polaris創業メンバー。2016年、より変化に強い組織づくりを目指し戦略的意思決定主体を、代表を中心とする経営メンバーから参画する多様なメンバーへと拡張する「フォロワーシップ経営」を行うために代表取締役就任。
非営利型株式会社Polaris
co-ba CHOFU運営会社。co-ba CHOFU内に事務所をおき、「未来におけるあたりまえのはたらきかたをつくる」をミッションに、ワーキングシェアの仕組みをつくり、地域に仕事をつくってきました。学びのコミュニティ「自由七科」では、「ここちよく暮らしはたらく」をテーマとした学びや対話の場を開催しています。
お申し込みはこちらから
3月18日(火)、立川上砂会館で開催される「女性ワークチャレンジ移動サロン×東京みんなでサロン」(主催:東京しごとセンター)に、弊社共同代表の山本弥和が登壇します。
登壇内容:
ワークチャレンジセミナー「おかねのこと、しごとのこと、じぶんのこと」
変化の激しい時代において、自分がここちよくはたらき続けるためのヒントをワークを交えながらお話します。
日時:3月18日(火)10:00~13:40(開場9:30)※途中退場可能
場所:上砂会館 第1学習室(立川市上砂町1-13-1)
都営上砂町一丁目アパート敷地内
JR各線立川駅からバス(立川バス「立19-2」「立16-3」)「大山小学校」下車 徒歩1分
西武拝島線武蔵砂川駅から徒歩18分
プログラムの詳細やお申し込みについては、こちらよりご確認ください。
「地域に顔見知りを増やそう!」を合言葉に、2024年5月より合同会社パッチワークスさんとPolarisで共同開催している「調布交流会」。
5回目は、2025年1月17日(金)19時から21時で子育てカフェ「aona」をお借りして開催しました。
子育てカフェaonaは、調布市が設置した子育て支援施設「こどもとフラット」内にあるカフェ。9年間に渡り、子育てする親と子どもたちに寄り添ってきました。天然木の板張りと広い畳スペースで靴をぬいで過ごすことができるので、子どもが寝転がっても安心。しかし残念ながら、2025年3月で営業を終了されるとのこと。調布交流会企画チームは、調布での子育てをそっと支え、新たなご縁を繋ぐ場所を提供してくださったaonaさんに感謝を伝えられたらと、寄せ書きポスターを用意しました。
今回の調布交流会参加者はスタッフ含め総勢41名。各自が持ち寄ったスナック、お惣菜、ピザやお寿司などに加えて、aonaさんから差し入れていただいた「鶏の塩タツタ」が並ぶ豊かなテーブルを囲みながら、会話を楽しみました。靴を脱いでくつろげる座敷席であったり、木のぬくもりに包まれた会場の効果もあったりと、いつも以上に、親しい仲間が集まるパーティーの雰囲気がありました。
「気軽に地域の人と知り合える機会が欲しかった」「これから調布に引っ越してくるので、知り合いを作りたかった」「他の地域に住んでいるけれど、過去のイベントの様子を見たら面白そうだったから」「これからやりたいことを一緒にやってくれる仲間を探しに」「自分の活動を知ってほしい」など、交流会への参加動機はそれぞれです。
リピーターの方は3割ほどで、それ以外は初めましての方ばかり。2か月に1度の開催ですが、毎回新しい出会いに恵まれています。
今までの交流会と変わらず、参加者全員の自己紹介タイムの後は、自由歓談。自己紹介では話し足りなかったことを話したり、名刺交換をしたりしていました。調布で顔見知りを増やす時間は、あっという間に過ぎていき、最後は恒例の集合写真撮影。参加者全員で片付けをし、21時半に終了となりました。
今年から、会場をPolaris運営のコワーキングスペース「co-ba CHOFU」だけでなく、調布市内の別の場所をお借りして出張開催していこうと思っています。
次回の開催は2025年3月の予定です。「今度こそは!」という方、お待ちしております。
お買物のこと、お出かけのこと、グルメやアクティビティなど、大田区エリアの街の住み心地について、アンケートにご協力いただける方に謝礼としてAmazonギフト券500円分を進呈します。
(所要時間:10分程度)
応募条件:現在大田区在住で、年齢が40代~50代くらいの方
※特に長く大田区内にお住まいの方歓迎です。
謝礼:Amazonギフト券500円分
注意事項:
下記よりご回答ください。
件名:【大田区エリア】アンケートの件
*お問合せの際は上記メールアドレス宛に、件名に「【大田区エリア】アンケートの件」とご記載の上、メールでご連絡ください。
コワーキングスペース co-ba CHOFU を運営する Polarisと、調布駅前でねぶくろシネマを開催するパッチワークスが共同で、”調布交流会”を開催します。
「地域で顔見知りを増やそう!」を合言葉に、2024年5月に始まった『調布交流会』。
通常co-ba chofuで開催していますが、11月は初の屋外で「調布大交流会@てつみち」と銘打って開催し、50人以上の調布関係者が集まりました。
(調布大交流会のイベントレポートはこちら)
次回は、2025年3月31日に閉店が決まっている調布子育てカフェ「aona」で開催することになりました。
お世話になったaonaに、お別れの意味もこめてみんなで集まりましょう!
★お酒やおつまみは全て持ち寄りです。ご自身の分+αの飲み物や食べ物をお持ちください。
日時:2025年1月17日(金)19:00~21:00
場所:調布子育てカフェ「aona」
調布市布田4-17-10 セントラルレジデンス調布2階
こどもとフラット内(サイゼリヤ奥)
京王線「調布駅」徒歩1分
参加費:1,000円(場代)
※お子さんはお一人につき500円となります。
飲食:持ち寄り(ご自身の分+αお持ちください)
対象:調布が好きな方ならどなたでも。
申込:Peatixより事前にお申し込みください。
※勧誘やセールス目的はお断りします。
合同会社パッチワークス
デザイン&コンテンツ制作を通じて、「まちをリデザインする」ライフスタイルデザインカンパニー。
地域と繋がりながら問題と魅力を抽出し、「ヒト・コト・モノ・バ」の魅力を再編集。
新たな観点で「まち」の価値を創造し、「このまちで過ごす事が面白い」と思えるライフスタイルを提供しています。
co-ba CHOFU
「仕事軸のコミュニティ」をコンセプトとした、会員制コワーキングスペース。利用者同士が近くにいながらも、視線と視線をずらすワークテーブルの配置で、対話もしやすい空間を提供します。「働きすぎないゆとり」を生み出し、人とのつながりなど、今だからこその価値につなげていきます。”co-ba CHOFUを通して、豊かにくらし はたらくことができる。”そんな場を目指しています。
非営利型株式会社Polaris
co-ba CHOFU運営会社。co-ba CHOFU内に事務所をおき、「未来におけるあたりまえのはたらきかたをつくる」をミッションに、ワーキングシェアの仕組みをつくり、地域に仕事をつくってきました。学びのコミュニティ「自由七科」では、「ここちよく暮らしはたらく」をテーマとした学びや対話の場を開催しています。
お申し込みはこちらから
“ここちよさ”を軸に、はたらき方・暮らし方を選択するとは?
町田市で開催してきた「ここちよく暮らし、はたらくを考える座談会」。今回は、町田市市民活動協働フェスティバル「まちカフェ!」内での開催です。参加は町田市民以外の方もOK。はたらき方を見直したい方、自分の“ここちよさ”を考えてみたい方におすすめです。ぜひご参加ください。
(1)ここちよく暮らし、はたらくを考える座談会
「ここちよさ」が大切な理由についてミニレクチャーの後に、グループに分かれて、対話を行います。日ごろのモヤモヤを言葉にし、お互いの声に耳を傾けてみましょう。
・日時:2024年11月30日(土)10:30~12:00/12月6日(金)10:30~12:00
・場所:町田市役所2F
・参加費:無料
・定員:15名
※どちらの日程も同じ内容です。
※町田市外に居住する方も参加可能です。
※11月30日は市役所2Fにてブース出展も行っています。
(2)経験とスキルの棚卸しワークショップ
これまでのライフキャリアをグラフにするワークを行います。過去を改めて振り返りながら、自分の強みや個性を探ります。
・日時:12月6日(金)13:30~15:00
・場所:町田市役所2F
・参加費:無料
・定員:15名
※町田市外に居住する方も参加可能です。
・はたつく研究所
Polarisのメンバーが立ち上げた地域活動団体。2021年より「子どものいる暮らしの中ではたらくを考える座談会@町田」を開催してきた。座談会以外にも、地域で“はたらく”を考える活動を行っていくことを視野に入れ、2024年に団体を設立。
・ハローワーク町田 マザーズコーナー
はたつく研究所のWEBサイトよりお申し込みください。
コワーキングスペース co-ba CHOFU を運営するPolarisと、調布駅前でねぶくろシネマを開催するパッチワークスが共同で、”調布交流会”を開催します。
第4回目は、初の屋外交流会!
トリエ京王調布C館の北側にある「(新)てつみち」で月見しながら交流しませんか?
Polarisとパッチワークスは共同で「調布交流会」を2か月に1回開催しています。
不動産、建築、デザイナー、メディア、プログラマー、店舗、カメラマンなど職種もバラバラ。調布にお住まいの方はもちろん、在勤の方、好きな方まで、毎回40人近い方が参加されます。
第4回はトリエ京王調布さんにご協力いただき、OPENしたばかりの(新)てつみちを利用して、11月1日(金)屋外で開催します。初めてでも、お一人でもお気軽にご参加ください。
なお、雨天の場合は中止となりますので、あらかじめご了承ください。中止の可能性がある場合、前日17時の時点でFacebookおよびPeatixにて連絡、当日12時までに最終判断して連絡いたします。
★お酒やおつまみは全て持ち寄りです。ご自身の分+αの飲み物や食べ物をお持ちください。
日時:2024年11月1日(金)18:00~20:00
場所:トリエ京王調布 C館北側 てつみち
調布市小島町2-61-1
京王線「調布駅」徒歩1分
参加費:500円(当日現地払い)PayPayまたは現金
※参加費は当日受付でお支払いください。
※お子さん連れでの参加もOK!(お子さんは参加費無料)
飲食:持ち寄り(ご自身の分+αお持ちください)
対象:調布が好きな方ならどなたでも。
申込:Peatixより事前にお申し込みください。
※勧誘やセールス目的はお断りします。
合同会社パッチワークス
デザイン&コンテンツ制作を通じて、「まちをリデザインする」ライフスタイルデザインカンパニー。
地域と繋がりながら問題と魅力を抽出し、「ヒト・コト・モノ・バ」の魅力を再編集。
新たな観点で「まち」の価値を創造し、「このまちで過ごす事が面白い」と思えるライフスタイルを提供しています。
co-ba CHOFU
「仕事軸のコミュニティ」をコンセプトとした、会員制コワーキングスペース。利用者同士が近くにいながらも、視線と視線をずらすワークテーブルの配置で、対話もしやすい空間を提供します。「働きすぎないゆとり」を生み出し、人とのつながりなど、今だからこその価値につなげていきます。”co-ba CHOFUを通して、豊かにくらし はたらくことができる。”そんな場を目指しています。
非営利型株式会社Polaris
co-ba CHOFU運営会社。co-ba CHOFU内に事務所をおき、「未来におけるあたりまえのはたらきかたをつくる」をミッションに、ワーキングシェアの仕組みをつくり、地域に仕事をつくってきました。学びのコミュニティ「自由七科」では、「ここちよく暮らしはたらく」をテーマとした学びや対話の場を開催しています。
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人生100年時代、ミドルシニアと呼ばれる 40-60代のキャリアの捉え方が大きく変化してきています。社会変革のスピードが早い現在、組織や会社に影響を受けながら取り組む仕事での成長機会だけではなく、自分の興味や”好き”という気持ちから、自分のペースで取り組める「マイプロジェクト」を持っている人たちが少しずつ増えてきています。
愛知県豊田市で10月に開講する「とよた|ローカルキャリア・デザインスクール」は、人と人との関わりの中で、また地域社会との関わりの中で、本当に必要とされる場や機会を作り出し「ありがとう」「たのしかった」と感謝される“コト(マイプロジェクト)”を生み出すための、学びのプラットフォーム。
これまでのキャリアを振り返り、自身のスキルを言語化しながら、仕事とは違う “アナザーキャリア”、暮らしを楽しむローカルキャリアを描くためのプログラムです。
全6回のプログラムの第2回となる11月15日(金)「〜ローカルキャリアのはじめ方〜 スキルの棚卸しワークショップ」にファウンダー市川望美が登壇します。
プログラム日程:(全6回)
・第1回 10/27(日)13:30-15:30
【ローカルキャリアを考える~地域に関わり、働き・暮らすことの意味】
講師:中島 智人 産業能率大学経済学部教授
・第2回 11/15(金)19:00-21:00
【ローカルキャリアのはじめ方 スキルの棚卸しワークショップ】
講師:市川 望美 非営利型株式会社 Polaris ファウンダー
・第3回 12/13(金)19:00-21:00
【先輩ローカルキャリアトーク 地域で活躍するローカルキャリアの先輩たちのリアルトーク】
・第4回 1/18 (土)13:30-17:00
【市内活動拠点ツアー&先輩ローカルキャリアトーク 地域で活躍するローカルキャリアの先輩たちのリアルトーク】
・第5回 2/1(土)13:30-15:30
【人生100年時代のマイプロジェクト ブラッシュアップ・ワークショップ】
講師:鈴木高祥 株式会社カゼグミ 代表取締役
・第6回 2/16(日)13:30-15:30
【マイプロジェクトプラン発表・講評】
対象者:豊田市を舞台に、これまでのスキルを活かして、次のキャリアプランを模索している方(概ね40~65歳の方々)
募集期間:2024年10月1日〜10月22日まで
開催場所:豊田市内(会場詳細はHPにて)会場:各回で会場が異なります。HPでご案内しております。ご確認をお願い致します。
定員:30名
受講料:10,000円(税込)
申込方法:こちら(外部リンク)のエントリーフォームからお申し込みください
【キックオフイベント】
日時:10 /15(火)18:00~20:00
場所:豊田市中央図書館
参加費:無料
申込方法:こちら(外部リンク)のエントリーフォームからお申し込みください
主催:豊田市
詳細は下記フライヤーをご覧ください。
2024年6月16日(日)、邦訳『人間の仕事:意味と尊厳』の著者であるボストンカレッジ大学院カウンセリング心理学部教授D.L.ブルスティン氏を招聘し、「21世紀の働くを考える会(代表作田稔氏)」の主催する講演&シンポジウム・対話会が開催されました。この講演&シンポジウム・対話会のパネリストの1人として、Polaris取締役ファウンダー(当時)の市川望美が登壇。「働く人の尊厳とウェル・ビーイングを守り、支えるためになすべきこととは~公共政策と働く未来を創る視点から~」をテーマに掲げ、博士が専門とする「ワーキング心理学」をベースに、キャリアについて多方面から活発な意見交換がなされました。
本記事では、その様子を一部お届けします。
日時:2024年6月16日(日)
場所:筑波大学東京校
■基調講演「働くことの意味と尊厳とウェル・ビーイング」
ボストンカレッジ大学院 カウンセリング心理学部教授
Prof. David L. Blustein, Ph.D.
■対話会
パネリスト:
法政大学名誉教授 諏訪 康雄 氏
元 厚生労働省参事官(若年者・キャリア形成支援担当) 伊藤 正史 氏
非営利型株式会社Polaris取締役ファウンダー(イベント実施時) 市川 望美
司会:学習院大学名誉教授 今野 浩一郎 氏
基調講演に先駆け、「21世紀の働くを考える会」代表である作田稔氏から、今回の講演&シンポジウム・対話会の開催趣旨について紹介がありました。
「個人や組織にとって、超高齢社会が進む21世紀には、AIやロボットの活用など、困難な場面に直面する機会が増えていくと思っています。時代や状況は一昔前と大きく変わっています。私たちがウェルビーイングであるためにも、ただ働き方だけを検討すればいいのではなく、働くことの本当の意味、働くことが持っている役割、組織にとってどういう意味があるのかをもう一度捉え直すことが大事ではないかと思っています」
ここからは、『働くことの意味と尊厳とウェル・ビーイング』と題したブルスティン博士の基調講演について、概要をご紹介します。
※参加者には、英語と日本語のスライド資料が事前に送付されており、講演内容もそれに沿って進みました。
「ロボットやAIの活用は、世界的な潮流になっています。日本のあるホテルで妻と朝食を摂っていると、ロボットが食器を片付けているところに遭遇しました。こういった光景は、日本では割とよく見かける気がします。日本では組織的な心理学が進んでいること。非常に生産性が高く創造性が高いこと。G7の1つであり、非常に思いやりと慈悲のある社会が根づいていること。実は今回が初来日なので、日本のことをよく知らないのですが、日本に対してこういった印象を数日間妻と滞在する中で抱きました。
労働環境に限って言えば、日本は非常に高齢化社会が進んでいると聞きました。女性管理職の少なさ、短期雇用者や不安定就労の増加、所属企業に対する従業員のエンゲージメントの低下、さらには近年メンバーシップ雇用からジョブ型雇用にシステムを変えている企業も多いと報告を受けました。
キャリア開発や職業心理学および組織心理学の隣接分野では、主に職業選択の自由がある人々に焦点を当てています。しかし私は不平等な社会に人々を適応させるのではなく、システムの変革を促す知識を開発する必要があると感じました。より包括的で、学際的な学問分野や認識方法を受け入れ、社会的・政治的な考え方や価値観の統合を含む理論が必要でした。
「ワーキング心理学(psychology of working)」とは、心理学をベースにした新たな見解であり、すべての働く人と働きたい人々にとって、働くことが心理的だけでなく社会的にも満たされていること、働くことがもたらす役割と実践に対する学問です。仕事は、メンタルヘルスと生活と直結しており、仕事をすることで人とつながること、生存、自己決定への欲求が満たされることを理想としています。この考えをさらに発展させたのが「ワーキング心理学理論(PWT)」です。検証可能な理論へと発展させ、仕事とキャリアの全範囲を捉え、包括的で学際的分野の学問からなる理論を構築し、経済的および社会的要因を結びつけることを目的としています。また、ワーキング心理学理論(PWT)にILO(国際労働機関)の「ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)」という概念を取り入れました。
私たちが開発した、ワーキング心理学理論(PWT)をベースとした介入モデルは、社会的正義と公平性に焦点を当てたモデルです。働く職場での尊厳や意味のある仕事の重要性を強調しています。また、労働条件の改善や労働者の自律性が労働エンゲージメントに与える影響についても研究しています。ワーキング心理学理論(PWT)は柔軟性のある、変化の理論です。変化は個人と制度の両方のレベルで現れます。仕事に関連する広範な問題の顕在的および潜在的な予測因子と結果を特定するような、知識と実践を明らかにすることをワーキング心理学理論(PWT)では目指しています。
続いて、今回参加のパネリスト3名から、働くこと・キャリアに関するプレゼンテーションが行われました。
まず、法政大学名誉教授で、キャリア権*1の提唱者でもある諏訪康雄氏が、「職業生活を通じて幸福を追求する権利の実現について」をテーマに、キャリア権からキャリア教育の実情についてご説明されました。
続いて、慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス 一般財団法人SFC フォーラム研究員で、元厚生労働省参事官(若年者・キャリア形成支援担当)の伊藤正史氏が、厚生労働省で長らくキャリア支援の政策立案に携わってきた視点から、キャリアに関する公共政策について解説くださいました。
最後に登壇した市川は、Polarisの紹介をしつつ、はたらき方においてPolarisが大切にしていることを紹介しました。
「特別なスキルがある人たちが自由に働くのではなく、子育て中の人でも、病気の人でも、介護をしている人でも、望めば誰でも働き方を選べるようにしたい。そんな想いから、「未来におけるあたりまえのはたらきかたをつくる」をミッションに掲げて、Polarisを創業しました。13年にわたり、組織や人々の関係性を大切にしながら、さまざまなチャレンジに取り組んでいます。
創業した頃は、労働市場での評価が低いことに自信を失い、仕事をしていなかった女性たちから、主婦をしている自分が働くことに罪悪感を覚える、社会から受け入れてもらえないと感じるなどの声が多く聞かれました。そうした経験から、それぞれが感じるはたらき方の当たり前を価値の源泉にすること、女性たちが自分の人生を主体的に生きることが、創造的な組織づくりに繋がると認識し、時代に合わせたはたらき方を提案してきました。
Polarisでは、キャリアブランクやキャリアロスといった言葉に対し、離職中に得た経験を価値に変えること、課題そのものを無効化することを目指しています。「くらしのくうき」というサービスは、マンション購入を考えている人向けに、子育て中の主婦たちが生活者として得てきた地域の情報を提供するもので、この事業に関わった女性たちは、社会と接点を持ち働くことができると、少しずつ自信を取り戻していきました。
Polarisはフラットな組織構造を持ち、多様なコミュニケーションを促進するために、現在はバディ制度やメンター制度を取り入れています。また、近年は出産を機に離職した女性たちだけでなく、20代から60代の多様なメンバーが関わっています。多様性を前提にした柔軟なはたらき方は、制約のある人々が関わりやすくなるだけでなく、より創造的な職場を実現することにつながります。それぞれの選択が尊重される環境を作ることで、心理的安全性やウェルビーイングの向上につながると考えているため、働く上での「心地よさ」を大切にしています」
*1キャリア権(right to a career)…誰もが自分の能力や希望に応じて仕事を選択できて、仕事や生活を通して幸福を追求できる権利。憲法13条(幸福追求権)、22条(職業選択の自由)、26条(教育・学習を誰もが等しく受けられる権利)、27条(労働権)にキャリアに関する内容が定められており、これらを改めて体系化した「理念的な権利概念」とされている。
プレゼンテーション終了後には、学習院大学名誉教授の今野浩一郎氏の司会で、ブルスティン博士と3人のパネリストによるパネルディスカッションが開かれました。
【テーマ1】
一昔前の日本の労働者は、労働意欲もエンゲージメントも高く、生き生きと、やりがいを感じながら働いていたが、現在では、労働意欲もエンゲージメントも低く、やりがいもあまり感じていない。理由はどこにあるか?
諏訪氏「一昔前には若い世代がたくさんいて、出生数も270万人くらいでしたが、出生率は年々下がってきていて、去年生まれたのは72万人台です。一方で高齢者の比率も上がっている。若い世代がたくさんいた人口ボーナス*2という頃から、人口オーナス*3という人口全体の変化が日本社会に効いているのではないでしょうか。
また、国の経済が伸びていくとある時点をピークに経済成長が止まって下がっていく時期が必ずあります。豊かにするために男性が一生懸命頑張るという時代から、女性や高齢者などいろんな人たちが働く時代へと変わりつつある中で、豊かさやゆとりを確保しながら、あるいは高齢者の方が増えていく中で生産性を維持し高めていくためにはどうすればいいのか、こうした問題に対する解決策が見つかっていないのが現状です」
伊藤氏「日本の労働者は、国際的に見て労働意欲が低い傾向があります。エンゲージメントやキャリア意識も高まっていませんが、ブラック職場の問題意識が働き方改革に繋がりました。企業も職場環境の改善やエンゲージメント向上に取り組んでいますが、対応が遅れています。また、転職機会が増えたことで不満が表面化しやすくなり、これが調査回答にも影響を与えていると感じます」
市川「息子たち(大学生)の世代を見ていて感じるのは、制度と個人が上手くフィットしていないということです。以前は社会が用意したストーリーに合わせて生きることで、ある程度の恩恵を受けていましたが、今の若い世代は恩恵を受けていないかもしれません。一方で、ダイバーシティや人権の教育も受けているので、人の役に立ちたい気持ちが強く、親世代よりも社会を正しく捉えようとしているところがあると思っています」
3人の意見を受けて、アメリカの現状を交えつつ、ブルスティン博士からも意見をいただきました。
ブルスティン氏「3つのプレゼンは非常に有益で、創造的でよく練られたものでした。皆さんのお話の中には私が「抵抗(resistance)」と呼んでいる考え方があります。顕在化していないものの、多くの人が抱えているものです。その点で、若者たちはメッセージを送っているのではないでしょうか。私たちベビーブーム世代は、若者が期待もせず必要とも思ってないかもしれないものを作ってきました。例えば、日本の製品の品質を考えてみましょう。日本の車は、米国で圧倒的に人気があります。ドイツ車も人気がありますが、経済的な点において、日本の車が群を抜いています。要は、若者はもっとバランスが必要だというメッセージを送っているのではないでしょうか。もう一つのポイントは、人々の働き方です。市川さんのコメントに触れると、人々は異なる働き方を見つけつつあり、これも一つの解だと思います。長期雇用の考え方は、日本社会だけでなく、多くの先進国で消えつつあります。大事なのは、変化はすでに起きているということです。公共政策に対する皆さんの対応は、とても素晴らしく、心に響きました。(中略)キャリアカウンセリングの発展は、これらの必要な変化への対応です。人々は、何をしたいのかだけでなく、人生において仕事とどのように関わりたいかについて、もっと時間をかけ、よく考えていくことが必要です」
*2人口ボーナス…生産年齢人口(15~64歳)が従属人口(14歳以下もしくは65歳以上)を大きく上回るもしくは増加し続けている状態
*3人口オーナス(onus=負担・重荷)…人口ボーナスの逆で、働く人の数よりも子どもや高齢者人の数が上回っている状態
【テーマ2】
キャリアに関する公共政策について、現在考えられることは?
諏訪氏「日本のキャリア政策は公共政策が先行しています。政策担当者たちがさまざまな施策や法律を整備しても、実態が追いついていない。特に男性の育児休暇取得率は約17%と低く、取得しても1週間程度です。これは文化や意識の影響が大きいためと考えられます。また、経済環境の変化や産業の海外移転により非正規労働者が増加しており、日本国内に産業空洞化と言われたような状況が生まれる。こうした構造的な問題が全体に動いてきている中で、政策当事者に危機感が高まっていて、国民も不安を感じています。しかし、全体の意識改革が進まないため、政府主導で関係者全員がキャリア政策に取り組む必要があります」
伊藤氏「新たな資本主義と労働市場の方向性に関して、コンセンサスが形成されつつありますが、実行方法に課題を残しています。今野先生が座長を務めておられる新しい時代の働き方に関する研究会、それを検証している労働基準関係法制研究会では、法規制や例えば補助金、給付金等の経済インセンティブを与える代わりに正確な情報発信を義務付けることによって、市場あるいは市場参加者がモニター、評価、判断基準にできるような環境整備、計画策定等で企業に対する何らかの義務付けなど多様な政策手段を提案しています。しかし、教育訓練給付制度などのリスキリング支援には改善の余地があります。労働力不足の中、企業は人材確保と定着のために行動を変える必要性を強く感じていますが、効果的な方法を模索している企業も多くあります。産業界の実例と情報発信が重要であり、行政もこれを後押しする役割を果たすべきです」
市川「Polarisは地域に活動の軸足を置いているので、キャリア開発や支援に地域の多様性が活かせることを期待しています。また、地域というフィールドにはすごく多様な人がいますが、1つの組織の中だけでは、キャリアのロールモデルを見つけにくい時代であると感じます。キャリア開発のフィールドを、1つの組織の中や、自分のいる場所だけでなく、より多様な主体が混ざり合ったところで開発できる機会も必要ですし、そうした環境下で活発なコミュニケーションが取れると、キャリア開発への発想が柔軟になっていくのではと思います」
伊藤氏「『キャリアの両属性、職場、企業がなかったらキャリアは実現しない』というようなことを先ほど話したんですが、よくよく考えてみれば、どの地域でも働いている人は必ずいますよね。従来の典型的な働き方を前提としたキャリア支援、あるいはそれに対応した政策の組み立て自体が行き詰まっているのかもしれません。多様な働き方に対応するため、キャリア支援者や政策セクターは具体的な事例やキャリア開発の実態を把握し、それに基づいて新しいキャリア支援手法を展開することが政策立案側にも求められているんだと思います」
ブルスティン氏「皆さんのお話に非常に感銘を受け、刺激を受けました。また、職業とキャリアを研究する日本の学者や実務者が公共政策にこれほどの影響を与えていることがうらやましくもあります。アメリカでは、意見を述べる場を得ることが大変難しいのです。あなた方が提示した仕事の質とアイデア、新しい政策が政府に採用されていることで、変化を実現するための入り口があると感じています。このアイデアをキャリアや仕事を研究する国際コミュニティや実務者と共有していただきたいと願っています。ありがとうございました」
今野氏「キャリア支援者あるいは政策セクターが実際に働いている人、あるいはこれから働こうとしている人と向き合い、彼らのキャリア形成へのマインドを上げていくことは絶対条件です。パネルディスカッションの最後に市川さんが話していたキャリア開発フィールドの多様化と広域化は、非常に重要な手段だと思います」
以上、パネルディスカッションの終了をもって、本イベントは幕を閉じました。課題提示・さまざまな立場からの意見交換を経て、それらを解決に導く未来への期待感が伝わってくる対話会でした。
人はなぜ働くのか。この問いには「生活のため」「自己実現のため」「地域や社会のため」といったさまざまな答えが返ってくるでしょう。キャリアと言うと、特別なスキルを持った人だけが築いていける道といったイメージでしたが、ワーキング心理学は、会社に勤めることも含めて、その人に合った働き方を選ぼうとする意思を学問の分野から大きく後押ししているようでした。働き方を自らの意思で選べるようにするため、法律や政策の整備と共に、Polarisのように多様な働き方を実践するフィールドも広げていきたいものです。