Polarisファウンダー 市川望美の日々のこと Vol2

投稿者:スタッフポラリス

Polarisファウンダー 市川望美の日々のこと Vol2

非営利型株式会社Polarisのファウンダー(創設者)である市川望美の日々の行動、思考をお届けします。

市川望美、ステイホームから「ステイ・ホームタウン」に託すもの

日々の暮らしにさまざまな制限が生じたここ数ヶ月、皆さんいかがお過ごしでしょうか?

私は対外的な仕事がなくなり、外出する機会も一気に減りました。自分が移動した履歴が残る「Google マップのタイムライン(※)」で2月と4月を比べてみると、徒歩・自転車による近距離の移動は69.7%ダウン、車・電車・飛行機などによる遠距離の移動も99.3%ダウンと、それぞれ激減していました。Google マップのタイムラインには、4月1日以降電車に乗る機会が1度もなく、家から一歩も出ない日もあった私の「ステイホーム」な生活がバッチリ反映されています。

会社の事業がコロナウイルス感染拡大の影響でいろいろとストップして、どうやってこの危機を乗り越えていこうか…と不安に思うこともないわけではありませんが、個人レベルでは「『ステイホームでのはたらき方』は快適だし、新たな日常として定着したほうが絶対いいよね!」ということを実感する日々でした。

家とわがまち仙川をベースに、半径600メートル圏内で暮らす――。そんな日々の中で私が実践しているのは、厳密にいえば「ステイ・ホームタウンでのはたらき方」です。

自宅からだと徒歩7分のところにある、Polarisの事務所兼コワーキングスペースの“cococi”。私にとってワークスペースであり、一人になりたいときの駆け込み寺にもなっています。

例えば家で仕事をしてお昼を食べてから行く日、午前中仕事をして、昼ごはんを用意するために一旦自宅に戻る日もあります。机やWi-Fiを使うタイミングが家族と重なって自分だけ出かける日も、自宅でのオンライン学習に飽きた子どもと一緒に出かけていく日もあります。家族と過ごす時間が増えて嬉しいこともあるけれど、一人になりたい時もある。そういう時の逃げ場にもなる。日によってワークスペースの使い方を自分で自由に選べるありがたさを、これほど強く感じたことはありません。

このように、自分の居場所をホームだけではなく、ホームタウンまで拡張してみたときに、「はたらく場所としてのまち」は、コロナとともに生きていくこの時代において、もっともっと探究されるべきことだと思います。「ステイ・ホームタウンなはたらき方」は、家庭の都合と仕事の都合を、うまいこと分解・再編成することができると思うのです。

今までは「職場」「学校」など、「その人その場所その時間」にやることが特化していたけれど、それが一気に家庭に持ち込まれたことで生じる様々な不都合。しかし、家族それぞれが自分の居場所を「ホームタウン」まで拡張し、自分の時間を外に持ち出し、分割したり、誰かの用事と重ねたりすることで、もっと上手に家庭と仕事・学びを再編成していけるのではないでしょうか。

また、「ホーム」には環境的なことだけでなく、文化的な意味合いもあります。Polarisは、それぞれの考えを尊重し、多様な働き方を共存させたいという思いを共有しているので、各家庭の事情や状況を踏まえて柔軟に対応し、協力し合うこともあたりまえにやってきました。自分1人で疑問や問題を抱え、家庭の中だけで完結させようとしなくてもいい、暮らしも気持ちもシェアできる。それが仲間であり、コミュニティであり、場であり、文化である、ということは、不確実・不安定な時代の中でよりどころとなる考えです。

そうした考えと共に、郊外型、住宅立地のワークスペースが、質・量ともにもっと拡大すれば、まちにあるワークスペースが、環境的にも心理的にも、「ホーム」を「ホームタウン」に拡張するときのサードプレイスのような受け皿となるはずで、地域インフラ、社会インフラとして機能し得ると思います。

株式会社SIGNINGが2020年5月1日に、自社のWebサイト上で公開した『Covid-19 SOCIAL IMPACT REPORT』には、コロナ下で得られたポジティブまたはネガティブな変化、これからの時代における課題が調査結果として示されました。「大切にしたい日常」をアップデートすべく、日々を積み重ねていきたいと思います。

※Googleマップのタイムライン:これまでに訪れた場所の履歴が、Googleマップ上に表示される機能。あらかじめ現在地が分かるように設定しておくことで、iPhoneとAndroidの場合はGoogleマップのアプリから、パソコンはブラウザから移動履歴を確認できる。


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