「心地よく暮らし、心地よくはたらく」をビジョンに掲げ、そのための仕組みづくりに取り組んできたPolaris。共に働く人の心地よさを大切にしてきました。一方、企業としてクライアントや社会に対し、事業価値を提供していくこともまた重要です。多様な個人の心地よさと組織として事業を推進すること。この2つを両立するために活用しているのが“こころえ”です。今日はこの“こころえ”についてご紹介します。
【INDEX】
・時間や場所に縛られず、チームで働くのがPolaris
・一人ひとりの拠りどころとなり、業務の質を担保する
・組織のここちよさを主体的につくる
・個人と組織に浸透させる振り返り
・“こころえ”の存在が個人と組織を繋ぐ
“こころえ”について書く前に、少しPolarisでの働き方について触れておきたいと思います。Polarisには、コミュニティ運営やバックオフィスサポート等の伴走支援など、様々な事業があります。どの事業でも共通しているのは、チームで仕事を請け負うこと。小さな業務でも複数人で担当する仕組みをつくっています。また、一部の業務を除き、メンバーの多くは好きな場所で、都合のつきやすい時間帯に働いています。役員以外は業務委託契約で働いていることも特徴です。
働く時間も場所もバラバラなメンバーがチームを組んで、クライアントに高品質なサービスを提供するためには、拠りどころとなるものが必要でした。それが“こころえ”です。
それでは、“こころえ”について具体的に見ていきましょう。シェアオフィスのコミュニティマネージャーの“こころえ”の一部をご紹介します。
・Polarisではたらく上でのこころがけ
-地域に愛着を持ち、自分自身も日々の暮らしや仕事を大切にしている。
-業務上知り得た情報や個人情報などの機密が保持できる。
・チームづくり
-他のスタッフやイベント運営者、関連事業者と良好な関係をつくる。
-立場を越えて対等であることを心がけお互いを尊重する。
・関係づくり
―自分から明るく挨拶をし、話しかけやすい雰囲気をつくる。
―来場者同士がつながれるよう来場者同士の接点となる。
・業務の振り返り方
―何か課題があるとき個人の問題とせず、場として解決することを考える。
・学ぶ
―研修や日々の出会い、利用者とのやりとりの中で学ぶ。
一見当たり前のように感じることも多いですが、明文化しておくことに意味があります。言語化すると、業務に携わる全員で共有することができます。コミュニティマネージャーは1人で勤務にあたることがほとんど。可視化されていれば、担当者が毎日変わっても、その場らしさが失われずに運営されます。対応に悩んだ時に判断の拠りどころにするためにも、“こころえ”が必要です。
事業伴走支援サービス「CoHana」では、2023年に新たな“こころえ”づくりに取り組みました。作成したのは、事業の担当役員、および各業務チームのまとめ役であるディレクターとアシスタントディレクター。さらに、場の心理的安全性と客観性を担保するために、学び事業の担当者がファシリテーターとして参加しました。
はじめに、先述した項目ごとに業務で大切にしていることを出し合い、次に代表者がそれらの言葉を整理します。その後、全員に整理したものをフィードバックする、という繰り返しで“こころえ”は完成しました。
そして今回、ディレクター・アシスタントディレクターがチームとして機能するための“こころえ”が、ディレクター・アシスタントディレクター自身からの提案で新設されました。これらの役割は、クライアントとの窓口でもあり、業務を担当するチームのリーダーでもあります。プレッシャーがかかりやすい立場だからこそ、自分たちもチームである必要があることを再認識したのです。
課題に向き合うときに、孤独にならないこと。
チームメンバーがここちよく働ける環境をつくると同時に、自分のここちよさも大切にすること。
“こころえ”には、メンバーのこうした思いが反映されました。
終了後の感想では、「チームを見る時は一人だが、拠りどころになるお守りのようなものができた」、「ディレクター、アシスタントディレクター自身が一つのチームであることを実感できた」という声が聞かれました。このことから、“こころえ”の作成プロセス自体に、その組織ではたらくここちよさを醸成する効果があると考えられます。
“こころえ”の活用シーンの1つとして、新人研修があります。新しく入ったメンバーに“こころえ”を理解してもらうことは大切です。しかし、Polarisが期待しているのは、むしろ前からいるメンバーへの“こころえ”の定着化です。
コミュニティマネージャーの新人研修では、前からいるメンバーから新メンバーに“こころえ”を説明するようにしています。すると教える側は、新メンバーに伝えることで、自然と自分自身の行動を振り返るようになります。“こころえ”は頭では理解できても、実践するのは難しいもの。このように振り返りの機会を設けながら、少しずつ自分の身になり、行動できるようになるのです。
そのほか、業務に課題を感じる際には、“こころえ”に立ち戻り、チームで話し合いをしています。その課題は“こころえ”のどこに齟齬が生じているのか。それはなぜなのか。チームでどのように対応すればよいか。“こころえ”を起点にして話すことで、個人を責めるのではなく、チームの課題として扱うことが出来るのです。
Polarisの“こころえ”と、事例についていくつか見てきました。業務委託で働くメンバーが、主体的にこころえに関わる仕事の仕方を珍しく感じられたかもしれません。業務委託とは業務委託契約書により取り決められた業務を行う仕事の仕方です。納期までに成果物が納められれば契約上の問題はありません。
しかしPolarisでは、「ここちよく暮らし、はたらく」ことをビジョンに掲げ、Polarisならではの業務委託のあり方を追求してきました。それは、一人ひとりが自分の望むはたらき方を選択できる組織づくりに繋がります。さらに企業としては、自分らしく働く個人をチームとして組織し、社会的価値を発揮していくことが求められます。この2つを両立するために、欠かせないのが“こころえ”なのです。
近年、企業を取り巻く環境はますます不確実になり、変化のスピードも速くなるばかりです。働き方も大きく変わるなか、どの企業にとっても、“こころえ”のように個人と組織を繋ぐ仕組みが必要となるのかもしれません。
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