ミドルシニアからの働き方をRe:DESIGNする「R60‐SETAGAYA-」

投稿者:sekiguchitomomi

ミドルシニアからの働き方をRe:DESIGNする「R60‐SETAGAYA-」

人生100年時代に入り、高齢期をいかにウェルビーイングに生きるかに注目が集まっています。そこには、それまでの経験やキャリアを活かして働くという視点が欠かせません。一方、人手不足が深刻化し、企業や自治体は様々な取り組みを始めています。

このような状況を踏まえ、世田谷区は令和3年2月から令和4年3月にかけて、働きたいミドルシニアと地域の仕事を繋ぐモデル事業「R60‐SETAGAYA‐」を実施。令和4年度からは公益財団法人世田谷区産業振興公社に事業が引き継がれました。Polarisは、令和2年度より世田谷区および世田谷区産業振興公社からの委託を受け、携わってきました。

多様な働き方を地域で創出するために

「R60‐SETAGAYA‐」では、「働きたいミドルシニア」と「地域の事業者」をつなぐ、マッチング支援を行っています。従来のミドルシニアへの職業紹介では扱われなかった、短期・単発の業務委託の案件を創出し、働きたいミドルシニアと働き手が必要な事業者をマッチング。「長期に関わることが難しい」、「今までとは違う仕事に出会いたい」など、様々な働き手のニーズに応えています。また、事業者に対しても、労働力不足の解消に貢献するだけではなく、地域やミドルシニアとの結びつきを強め、新たな事業の可能性を探るという効果も生まれています。

Polarisの介在価値

Polarisは主に以下の3つの役割で、本事業に携わってきました。

1.地域のミドルシニアと事業者を繋ぐ多様な案件の創出

R60-SETAGAYA-は、より多様な働き方の選択肢をつくることを目的としています。また、モデル事業に参加したミドルシニアからは、柔軟な働き方を求める声が多くありました。Polarisでは、こうしたニーズに答えるため、R60-SETAGAYA-ならではの案件づくりに貢献してきました。具体的には、ギグワークと呼ばれる短期・単発の業務委託の案件の創出です。R60-SETAGAYA-で取り扱われる案件は、元々あった業務ばかりではありません。普段の業務を細分化して小さな仕事を切り出したり、地域の人材と連携することで出来ることは何か?という発想で、事業者と共に案件を創り出してきました。こうした仕事づくりの背景には「チームではたらく」をコンセプトに持続可能な仕事の仕方を生み出してきたPolarisの経験や、地域イノベーションとして、地域で仕事を創出する支援をしてきた経験が生かされています。
実際にR60-SETAGAYA-で、趣味を活かすことのできる農園アドバイザーや衣類の修復の仕事、専門知識を活かした講師の仕事などを仕事として生み出してきました

事業者のニーズを「人材に期待すること」、「緊急度と重要度」の二つの方向から分類し、案件づくりに役立てた。
出典:R60-SETAGAYA-ハンドブック

2.自分の新たな可能性に気づくセミナーの実施

ミドルシニアと事業者双方の希望に沿ったマッチングを実現するため、Polarisでは働きたいミドルシニアに向けたセミナーに特に力を入れてきました。その背景には、ミドルシニアが自分で仕事探しをすることの難しさや、事業者の柔軟な働き方に対する理解不足があります。そこでセミナーでは、時代や社会の変化に伴う新しい働き方を紹介すると共に、過去の経験やスキルを棚卸しするワークショップを行いました。とりわけワークショップは、これまでの職務経験にとらわれず、趣味を含めた経験や個性にも着目し、自分を捉え直す機会として、高い評価をいただきました。

参加者の声
・今後のライフプランを考えるにあたって新しい視点があることに気づいた。
・発想をふくらませることができた。
・地域に根ざすという視点が新鮮だった。
・仕事以外の能力の可能性を知った。
・自己の経験を客観視できた。

「ジョハリの窓」を活用し、案件を整理。自分にできそうな仕事の可能性を探った。

3.事業者の声を丁寧に発信

新しい働き方にチャレンジしてみたいものの、ミスマッチは避けたいものです。「いまさら残念な経験をしたくない」という気持ちも出てきます。そこで、R60-SETAGAYA-に興味を持つ人へ地域での新しい働き方を伝えるため、noteを活用して具体事例を発信しました。記事には、事業者インタビューの動画を掲載し、事業者のリアルな声を届けるよう努めました。こうした発信は、現場の様子や事業者の思いを伝える場として、事業者とのより良い関係性構築に寄与しました。
関連リンク:note:ミドルシニアからの働き方をRe:DESIGNする「R60‐SETAGAYA-」

「未来におけるあたりまえのはたらきかた」をつくる

健康寿命が高くなり、ミドルシニアが地域で自分らしく生き生きと働くことへのニーズは、今後ますます高まっていくと考えられます。Polarisでは今後も、本事業での経験を活かし、誰もが望む自分らしい働き方を選択できる社会の実現に貢献していきます。

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